白山市指定有形文化財[絵画]

絹本著色 教如上人寿像


一幅
慶長9年(1604)
縦92.5 横40.1
村指定有形文化財 昭和46年11月3日指定
市指定有形文化財 平成17年2月1日
願慶寺 白山市吉野 タ25−1

真宗大谷派の始祖である教如上人(1558〜1614)の画像である。本画像は、一副一鋪の淡茶褐色を呈する絵絹に、斜め左を向き、墨染の法衣に黒の袈裟を着け、両手に数珠を執って爪弾き、上畳の上に坐る教如上人の姿を描く。顔は白色で、目の瞳のまわりに薄茶色を廻らし、目尻にぼかしをつける。面貌表現は淡墨線を用いて表わし、唇に朱を点じる。墨染の衣はやや太目のなめらかな墨線で衣文線を引き、淡墨を塗り、ぼかしを加える。袈裟は直線的な墨線で角ばった衣文線を引き、条をやや濃い墨色とする。上畳は緑青で、高麗縁は表面の両緑と部厚い垂直面とも白地に白・黒の斜格子と円文を描く。画面上部に4行の書入れ、右部に「教如」の墨書がある。本幅裏に「□/慶長九甲辰季十□/加州山内庄内惣道場」「教如寿像」の裏書がある。本画像が制作・下附された慶長9年(1604)は、教如上人の47歳にあたり、本画像は寿像であることがわかる。