白山市指定有形文化財[絵画]

絹本著色 親鸞聖人画像


一幅
文禄4年(1595)
縦99.0 横46.0
村指定有形文化財 昭和63年4月7日指定
市指定有形文化財 平成17年2月1日
願慶寺 白山市吉野 タ25−1

浄土真宗の開祖親鸞聖人(1173〜1262)の画像である。本画像は、一副一鋪の淡茶褐色を呈する絵絹に、斜め右を向き、墨染の法衣に黒の袈裟、首に白い襟巻を着け、両手に数珠を執って爪弾き、格狭間のある礼盤上に坐る親鸞聖人の老相の姿を描く。顔は淡代赭色で、目の瞳のまわりに薄茶色を廻らし、顔の輪郭や眉・鼻・唇などを細い淡墨線を用い表わす。墨染の衣はやや太目のゆったりとした墨線で衣文線を引き、淡墨を掘り塗りし、ぼかしを加える。礼盤は前3個、側面2個の格狭間を設け、金具を全泥、上部の4隅を繧繝緑とする。画面上部に『無量寿経』の要文の書入れ、左部に「和朝親鸞聖人」の墨書がある。裏打紙に「御裏ハ現在不明ナレドモ明治拾壹年/九月御本山御届ノ節ハ明暸/ニ在リシモノニシテ當時ノ記録ニハ/作者/教如法主、文禄四年乙末九月廿日/加洲山内惣道場/願慶寺三十三ケ村(後文略)」と寺伝を墨書する。本画像の制作年代は、画風より文禄4年(1595)頃と推される。