ナレータ むかし。今から580年ほど前のことです。

京都の大谷というところに、本願寺という小さなお寺がありました。

お参りにくる人もほとんどない、とても貧乏なお寺でした。

 このお寺ではたらくお手つだいさんの子どもに、布袋丸という、
それはそれは元気のいい男の子がいました。

 布袋丸のおかあさんは、とてもはたらきものでした。
みんながまだ寝ている、朝のはやくから、夜はみなが寝静まるまで、
休むことがありませんでした。

 布袋丸は、まだおかあさんにあまえたい年頃でしたが、
じっとがまんして、いつもさびしく一人であそびました。 
布袋丸 「ああ、なんでうちのおかあさんは、いっしょにあそんでくれないのだろう。」
 (ぬく)

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