ナレータ  ある日のことです。
 布袋丸が朝おきると、おかあさんが布袋丸にいいました。
おかあさん 「布袋丸。今日はおかあさんといっしょに山へ行きましょう」
布袋丸 (おどろいて)
「え!ほんとう!!」
「きょうは、おかあさんといっしょにいってもいいの!わーい」
ナレータ 布袋丸は、おおよろこびです。
おおはしゃぎの布袋丸に、おかあさんは山でいろんなことを教えてくれました。

(おちついて、ゆっくりと)
山菜のとりかた。山道の歩きかた。水の探しかた。薬になる草・・・・
布袋丸 「へー、ただの草かと思ったら、いろいろ役にたつんだね。」
おかあさん 「木も草も、みんなほとけさまからのたまわりものなんだから、
なにひとつムダなものはないんだよ。
知恵をはたらかせれば、ちゃーんと役にたってくれるんだよ。」
布袋丸 「うん、おかあさんはものしりなんだね。」
ナレータ (しずかに)
なにもしらずに、はしゃいでいる布袋丸のようすを見ながら、
おかあさんの目にふとなみだがうかびました。
 (ぬく)


次のページへ  前のページへ


Topに戻る