ナレータ | そんなある日・・・・ |
ナレータ | 蓮如上人が、廊下を歩いていると、紙きれが一枚落ちていました。 誰も、見向きもしませんでした。 ところが、蓮如上人は、その紙きれをひろいあげると、 まるで尊いものでも敬うように、恭しく両手でいただかれたのでした。 そして、 |
蓮如上人 | 「ほとけさまからいただいた、大切ないただきものをむだにしてはもったいない」 |
ナレータ | と、おおせになられました。 |
ナレータ | たかが、紙きれと思ってはなりません。 どんなささいなものでも、みんなほとけさまからのいただきものなのですから。 お金持ちになって、本当に大切な宝物を忘れてしまった子どもたちへの 蓮如上人のおさとしでした。 |
全員 | 蓮如上人、おろうかを、おとおりそうらいて、 紙切れのおちてそうらいつるを、ごらんぜられ、 ぶっぽうりょうの物を、あだにするかやと、おおせられ、 りょうのお手にて、おんいただきそうろうとうんぬん。 そうじて紙の切れなんどのようなる物をも、ほとけのものとおぼしめし、 おんもちいそうらえば、あだにおさたなくそうろう |
おしまい |