ナレータ | つぎの日から、布袋丸のつらい生活が、はじまりました。 おかあさんのかわりに、朝はやくにおきて水くみをしなければなりません。 たきぎをわったり、そうじをしたり、ふろをわかしたり・・・・ やすむひまも、あそびにゆくひまもありません。 それなのに、おなじやねの下にすむ如乗は、すぐに用事をいいつけます。 |
如乗 | 「おい、布袋丸! 習字の練習で部屋がよごれたから、そうじしておけ!」 |
ナレータ | みると、へや中すみだらけ。おまけに、失敗した紙が山づみです。 |
布袋丸 | (つぶやくように) 「ぼくには、たった一枚の紙でも、なかなかくれないのに・・・・」 |
ナレータ | 布袋丸は、捨てるようにいわれた紙をそっと自分の部屋にとっておきました。 (ぬく) |