ナレータ | それからしばらくして、 本願寺にあたらしいおかあさんがやってきました。 ひとりぼっちでさびしかった布袋丸は、 あたらしいおかあさんがくるのを楽しみにしていました。 ところが、あたらしいおかあさんは、布袋丸をかわいがってくれるどころか、 目のかたきにして、ますますいじめるのでした。 そのうちに、とうとうごはんをたべさせるのもおしんで、 布袋丸に、一日にいちどだけ茶碗はんぶんのおかゆしかくれない ありさまでした。 |
布袋丸 | 「ああー、いちどでいいから、おなかいっぱいごはんをたべたいなー」 |
ナレータ | 障子のむこうで、如乗やあたらしいおかあさんたちが おなかいっぱい食べるのをしりめに、 布袋丸はいつもはらぺこのまま、そまつなすがたでねむるのでした。 (ぬく) |