ナレータ | ある年のこと。 家中の人たちが親戚の法事へ出かけることになり、 如乗と布袋丸が二人だけで留守番することになりました。 |
ナレータ | (しばらく、間をおいて) お昼になりました。 |
如乗 | 「おいこら、それはおれんだぞ、かってに食べるな!」 |
ナレータ | 布袋丸が、ごはんを食べようとすると、 如乗がいつものようにおかずをひとりじめします。 ふと、外をみると、近所ののらねこが、 一匹の魚を2ひきで分けあって食べているようすが見えました |
布袋丸 | 「ああ、あの大きな方がおにいちゃんネコなんだな。 ネコでさえ、おにいちゃんは、弟をかわいがるんだ。 ぼくにも、おにいちゃんがいたらよかったなー。」 |
ナレータ | 布袋丸はふと、おにいちゃんのいるネコをうらやましく思いました。 |
如乗 | 「こら、なによそ見しているんだ!食べおわったら、さっさとあとかたづけをしろ!」 |
布袋丸 | 「・・・・」 |
ナレータ | でも、目の前にいるのは、いじわるな如乗だけでした。 (ぬく) |