ナレータ | 夜になりました。 いつのまにやら、ものすごいあらしになって、まてどくらせど、 おじいさんやおとうさんたちは、帰ってきません。 |
ナレータ | やがてあらしはますます強くなり、家中が水びたしとなって、 ぴゅーぴゅー風がふきこみました。 でも、お父さんたちは帰ってきません。 |
布袋丸 | 「きっとこうずいで、橋が流れたんだ。」 |
ナレータ | つぎの日になっても、あらしはやみませんでした。 もう食べるものもありません。 布袋丸は、如乗のようすがおかしいことに気がつきました。 |
如乗 | 「さむい、さむいよーう」 |
布袋丸 | 「たいへんだ。病気になったんだ。ど、どうしよう。」 |
ナレータ | でも、そとはおおあらしのままです。 おとなたちが帰ってくる気配もありません。 (ぬく) |