ナレータ (かんしんするように)
「お、おまえって、本当はすごいやつなんだな。
おれなんかより、とっても物知りだし、とっても賢いし・・・、
それに、とってもしっかりしてる・・・・。」
如乗 (ちょと間をおいて)
「決めた!おまえとおれは、今日からは本当の兄弟だ!」
「だれがなんといおうとおれは決めたぞ、
これからはずっと二人で力を合わせてがんばろう!」
布袋丸 (あっけにとられて)
「へっ!????」
ナレータ  この日をさかいに、布袋丸は、一人ぼっちではなくなりました。
ほしくてたまらなかったおにいちゃんが、本当にできたのです。
 あいかわらず本願寺は貧乏でしたが、布袋丸はちっとも困りませんでした。
 だって、自分には「足りないものがひとつもなかった」ということに
気がついたんですもの。
布袋丸 「みんな、はじめからいただいていたんだね。
ありがとう、おかあさん」
「なむあみだぶ・なむあみだぶ、ありがとう」
ナレータ 足りないものを欲しがってばかりいたうちはよろこぶことができなかった
布袋丸が、ほとけさまよりいただいた宝物でした。

(ぬく)


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