ナレータ | つぎの朝、あらしはさりました。 (すこしおいて) |
如乗 | 「なんだ、こりゃー」 |
ナレータ | 目をさました如乗は、びっくりしました。 なぜなら、如乗は、たくさんの紙のきものと、紙のふとんをきて寝ていたのでした。 そして、その横には、泥だらけになった布袋丸がすやすやと眠っていたのでした。 |
如乗 | 「そうだ、おれは病気になっていたんだ。」 |
ナレータ | きのうの夜、熱があがり、おなかがすいて、寒くてがちがちふるえていた 自分の姿をおもいだしました。 |
如乗 | 「布袋丸が、おれのために、山菜や薬草を、とってきてくれたんだ。」 「あんな、嵐の夜に、おれのために・・・・」 |
ナレータ | 如乗は、いままで布袋丸をいじめていたじぶんがはずかしくなりました。 |
如乗 | 「でも、なんでこんな紙をきているんだろう・・・・ ありゃ、こりゃ、おれが習字の練習をしっぱいした紙じゃないか!」 |
布袋丸 | (ねむそうに) 「あ、如乗、おはよう。」 「よかった、なおったんだねー。」 |
如乗 | (ふしぎそうに) 「おまえ、なんでおれに紙なんか・・・?」 |
布袋丸 | (てれながら) 「あ、ごめん。他になにも着せられるものが見あたらなかったから。」 「でも、けっこう紙って暖かいんだよ。」 (ぬく) |